まずこのお話にご協力いただいたモニターの方に、この場をお借りして深謝いたします。
この方は、他院にて切開重瞼術を受けたけれども、『目元がはっきりせずに眠そうに見える』というのがお悩みでした。
では、まず手術前(写真1)と術後6か月(写真2)の状態を比較していただきたいと思います。
目元が少しはっきりしたのがお分かりいただけますでしょうか。
このような場合は、目を開くという機能を担っている挙筋腱膜の状態に起因することが非常に多いと思います。
瞼には瞼板という軟骨がフレームとして存在していて、これを挙筋腱膜とミューラー筋で引き上げて目を開いています。
このように書くと、非常に分かり難いと思いますので、棒を上から数本の紐でつるしていて、この紐を引っ張り上げて棒を持ちあげている状態を想像して頂きたいと思います。
紐を引き上げれば、棒が持ち上がり、紐を下ろせば棒が下がりますね。
この紐に当たる部分が、挙筋腱膜とミュラー筋で、棒に当たる部分が挙筋腱膜になります。
一般的には、ミュラー筋よりも挙筋腱膜の方が持ち上げに関しての活躍割合が多いので、目を開く(瞼を持ち上げる)という事に関して挙筋腱膜が多く関与しているということになります。
では、この紐が伸びてしまったら、どのような状況になるでしょう?
もちろん、紐が切れていなければ、棒は持ち上がりますが、紐が伸びていない状態と同じように引き上げる場合、より一層一杯引っ張らなくてはなりませんね。
これに似たことが瞼の中で起こっていました。術中所見(写真3)をお見せします。
写真の中に斜めの矢印で示した部分が、挙筋腱膜が伸びてしまった部分で、直線的な両端矢印で示した部分が伸びてしまった範囲を示しています。
このように挙筋腱膜が伸びてしまっているので、目が上手く開かずに、『眠そうな目元』になっていました。
修正手術では、こうした位置関係を修復し、再度二重を作り直すという作業を行いました。
これによって、どのような変化が出たかというのは、先にお見せした写真の通りです。
ここで話を終わりにしてしまうと、案外あっさりした感じの印象を与えてしまいますが、修正手術は、何回も書いているように『経過に時間がかかる』というのが特徴で、また欠点でもあります。
術後の腫れが長引き、なかなか形状が安定してこないという事も、しばしば経験します。
この方も術中経過中に右目の腫れが引くのが遅かったので、ご参考にして頂きたいと思います。
1週間後抜糸時の状態(写真4)です。
術後1か月(写真5)の状態です。腫れは残っているものの、形状的にも安定してきて、『お化粧をすれば気付かれない』範囲に落ち着いていると思います。
ところが、術後3か月の状態(写真6)では、腫れの引き方に左右差が生じ、術後1か月の状態よりも左右差が強調されてしまいました。
このため、右目(矢印側)が下がって見えると思います。
このように、一時的に悪化したかのように見えるというのも特徴的な経過です。
この状態で他院診察を受け、『また失敗されたと言われた』とおっしゃる方にお会いすることも有りますが、術前には、このような状況になることも頭に入れてから手術を受けられることを強くお勧めします。
こうした意味でも、『担当医との信頼関係は非常に大事』だと思います。
いつも同じことを書きますが、修正手術は、『ちょっと受けてみようか』というように気楽に受けられるものでもありませんし、担当する医者側も非常に気合を入れなくてはいけません。
こうして意味でも、担当医選びは慎重にして頂きたいと思います。
よく、『勧められるままに手術を受けた』という方にお会いしますが、当院では、『必要ない手術は勧めない』、『診察から手術後抜糸までが手術』という姿勢で診療を行っています。
抜糸は、スタッフでという医療機関もあるようですが、『抜糸は医師が行うもの』と思いますし、『抜糸の仕方で術後の状態が変わってしまうこともある』ということを患者さんにも知って頂きたいと思います。
関連動画はこちらです。※出血シーンがございますので閲覧にはお気を付けください。
施術名:二重切開修正
施術内容:この方の場合、眠そうな目をはっきりさせる。
副作用(リスク):術後の腫れ・一時的に悪化したように見えることがある
施術料金:二重切開修正¥660,000(税込)モニター¥561,000(税込)
治療費、施術費に関しては、こちらを御覧下さい。
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