美容外科話

COLUMN

小鼻縮小
第59話

【鼻尖、小鼻手術】団子鼻を解消するX plasty手術の実例

“団子鼻の手術ってどんな感じですか?”とか“軟骨を縛ると変わりますか?”と患者さんに聞かれることも多いのですが、何と説明してよいのか迷ってしまいますので、ここで私の手術を例にして、説明してみようかと思います。

ただ、鼻の手術は術式も色々とあり、患者さんによっても、担当医によっても手術が大きく変わる可能性が高いので、いつものように“参考程度”に考えるようにして下さい。

鼻尖の手術や小鼻の手術は、美容の広告等でも案外と写真でみる機会も少なく、患者さんにしてもイメージがつかみ難い上に鼻尖形成の“軟骨を縛る”というのがどのようなものなのかも全くイメージされていないようなので、ここでは軟骨がどのような形と大きさなのかをお見せしたいと思います。

BEFORE
術前
AFTER
術直後

まず術前ですが、鼻の穴の形に注目していただきたいと思います。
鼻の穴が横に広がったようになっていると思います。

小鼻縮小は通常、鼻の穴の内側から小鼻の厚みの部分まで切るのですが、この方は“外から見える傷はつけずに鼻の感じを若干すっきりとさせて欲しい”というご要望でしたので、鼻の穴の内側の壁を切ることによって“若干小鼻を小さく(幅を狭く)見せる”手術を計画しました。


術中
術中

写真にデザインを示したのですが、鼻の中で見難いので紫のペンで書いた位置を切るのだと認識していただくだけで十分です。

ここを切って縫い合わせますが、糸をかけた状態をお見せします。皮膚を三角形に二つ切り取ることによって鼻の内側から引っ張る感じになります。

術中
術中

次に小鼻の軟骨の大きさを分かっていただきたいのですが、写真の中で糸を通している白いものが軟骨で、“案外小さい”のが分かると思います。(写真4)

糸を左右の軟骨に通して縛って寄せるのですが鼻の大きさに比較して中の骨がこのように小さいので、白人と比較して、日本人は効果が出にくくなっています。

術後
術後

この方の場合、内側からの小鼻の修正と、軟骨をしばるという2つの操作を加えても写真にお見せするように“大きな変化は出ていない”と思います。

この術式が、この方の目的に最適だったかは別として、結果に満足されたので、この手術は“成功だった”と認識しています。相変わらず患者さんにもよくお話ししていますが、担当医との手術計画無しに手術はあり得ません。特に鼻の手術は時としてこのように“微妙”だったりしますので、後悔しない手術を受けていただければと思います。

『美容外科話』著者

  • 1992年 東京医科大学卒業。2004年8月 山本クリニック設立。
    美容外科の手術を中心に行っているクリニック。 他院手術トラブル修正手術、海外で受けた修正手術にも対応している。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会 元指導医。医療法人社団 豊季会 理事長。資格:医学博士(甲種)、日本外科学会認定医、日本アンチエイジング外科学会 名誉理事、JAASアカデミー最高指導医。

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