美容外科話

COLUMN

鼻の他院修正手術
第274話

【ポリービーク変形】他院術での鼻の変形を修正

まず、このお話にご協力いただいたモニターの方にこの場をお借りして深謝いたします。
この方は、6/12放送のNスタにてご紹介された方です。

状況としては、他院にて鼻中隔延長術という鼻先の手術を受けられた後に鼻が変形して、外に出られなくなってしまった状態です。
(と聞いていましたがシリコン(プロテーゼ)隆鼻術も行われていました。)

鼻中隔延長術の修正手術のビフォーアフター

術前と術後3ヶ月の状態からお見せしたいと思います。

鼻先はつまんだような形になってしまいっているのがお分かりいただけると思います。

BEFORE
術前の状態 鼻尖(鼻先)の軟骨移植や移動術が適切でなかったために、鼻先の軟骨が変形した状態で、コンクリートで固められたように一塊になった結果です。 修正するには、これらを少しずつ元も戻すように分けなければなりません。 その後、形を再度作るために軟骨を移動するという非常に高度な手術技術が要求されます。
AFTER
術後3か月の状態 鼻先の形状が自然な感じに修復されているのがお分かりいただけると思います。 この方の手術での一番の問題は、担当医に技能的な能力が欠けているか『デザイン力』と私が読んでいるセンスがないかによる部分が大きく関係していると疑わざるを得ないということです。

また、術後に患者さんが相談に行くと『最低3か月は待たないと何も出来ない』と言われたそうです。

しかし、このような状態で長く置くと組織が固定してしまい、さらに難易度が高くなってしまうことがあることをその担当医が知らないのだと思います。

さらに、私の手術後の状態を見せにいくと『難しい手術なのに、よく治ったね』と人ごとのように言ってのけたそうです。

担当医としての責任感が欠如していると判断せざるを得ません。


短すぎたシリコンプロテーゼ

シリコンを取り出した直後です。
シリコンを取り出した直後です。

今回は、ブログではご紹介できない(写真が削除されてしまう可能性が大きい)手術の実際についてご説明したいと思います。

まず、取り出したシリコン(プロテーゼ)が短すぎて、安定性が悪かったことが非常に疑われました。

鼻中隔延長術の修正手術の術中の様子

写真9から12

写真9から12です。また、鼻中隔延長術の軟骨移植の位置も悪く固定した糸(写真9の中の矢印で示した黒い部分)を摘出し(写真10)軟骨を剥離し、動くようにしてから、再度適正な位置に戻しました。

下から見上げた状態(写真11)を見ていただくと、位置関係が補正され、まっすぐとなったことがお分かりいただけると思います。

しかし、右の小鼻の凹んだ部分が残存してしまいましたので、この部分に再度軟骨移植を行いました(写真12)。

術後の腫れについて

術後の状態です
術後の状態です

この方の術後の腫れについてもご紹介したいと思います。

術後5日目抜糸時の状態は、色々と処置した割には大きく腫れていないと感じられるかもしれません。

しかし、修正手術というのは、形状が落ち着くまでに時間を要するものです。

術後1か月の状態をお見せします。

先ほど書いたように、この時点でもまだ形状が安定していないと思います。

この後ゆっくりとした経過で改善していきます。

⇒鼻の他院修正についてはこちらに手術例をまとめております

この経過中には、少々いらだつこともあると思いますが、修正医を信じて頑張っていただきたいと思います。

しかし、何よりも大事なのは、こういう目に会わないように、担当医選びは慎重にしていただくことだと思います。

他院にて鼻中隔延長術という鼻先の手術を受けられた後に鼻が変形してしまい、外に出られなくなってしまった状態を修正しました。(シリコンプロテーゼ隆鼻術も行われていました。)これは、鼻先の軟骨移植や移動術が適切でなかったために、鼻先の軟骨が変形していました。術後は鼻先の形状が自然な感じに修復されているのがお分かりいただけると思います。

『美容外科話』著者

  • 山本 豊【山本クリニック院長】

    1992年 東京医科大学卒業。2004年8月 山本クリニック設立。
    美容外科の手術を中心に行っているクリニック。 他院手術トラブル修正手術、海外で受けた修正手術にも対応している。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会 元指導医。医療法人社団 豊季会 理事長。資格:医学博士(甲種)、日本外科学会認定医、日本アンチエイジング外科学会 名誉理事、JAASアカデミー最高指導医。

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