まず、御協力いただいたモニターの方にこの場をお借りして深く感謝いたします。
今回ご紹介するのは、他院にて目頭切開、目尻切開、部分切開重瞼術、全切開重瞼術、二重切開修正術と複数の手術を受けられた方の修正術です。
この方は、二重のラインの左右差、目の開き方が気になるとの事でした。
以前にも書きましたが、このように『修正手術』を手掛ける医師も増え、前医の『余分な処置』のために、手術の難易度が非常に上がってしまっている方にお会いする機会も増えました。
二重の幅の左右差も少なくなり、目の開き方も改善されていることが分かります(写真1, 2)。
この様な場合、複数の手術により、組織が非常に弱くなっていますので、細心の注意を払いながら手術を行う必要があります。
皮膚の状態も良くない上に、切除する幅にも余裕がありませんので、切除する範囲も最小限にし、注意しながら切開を加えないと、たかが皮膚を切るという段階から思わぬ失敗にはまってしまうことも想定されます。
実際の切除範囲をお見せします(写真3)。
写真でお見せすると分かりにくいのですが、内部組織は、非常に弱くなっており、これらを丁寧に剥がしたあとに、正常な状態に戻します。
処置前(写真4)と処置後(写真5)で、組織の位置修復が行われたのがお分かり頂けるでしょうか?
この後に、二重を再度作成して、手術は終了します。
言葉にすると非常に簡単ですが、いつも書くように、こうした組織の同定や組織の移動には熟練した技術が要求されますので、担当医選びが非常に大事であることは言うまでもありません。
次に、術後の腫れ方と、傷の経過をご紹介したいと思います。
術後5日目、抜糸時の状態ですが、これだけ複雑な手術を行うと非常に腫れます。また、左右差も非常に大きくなってしまいます(写真6)。
修正手術は、経過に時間がかかるということは、認識していただけるようになって来たのですが、手術回数が増えれば増えるほど、落ち着く時間もかかります。
この方も術後1か月の状態では、まだ腫れが大きく残っていました(写真7)。
さらに術後3か月経過すると、二重の形状や腫れも安定してきますが、まだ傷はお化粧しないと目立つと思います。
化粧をしていただいた状態をお見せします(写真8)。
最近は、『修正症例は是非当院で』というような医療機関も増えましたが、目の修正手術は、何回も出来るものではありません。
また、その手術には、非常に高度な技術と経験年数が要求されます。
診察を受けた後は、その医師が担当した『実際の症例写真を見る』などして、担当医は慎重に選んでいただきたいと思います。
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