『鼻先を縛る手術では、どの程度腫れますか?』というご質問をよく受けますが、『一般的な経過の方』と『よく腫れた方』をご紹介しますので、イメージをつかんでいただきたいと思います。
鼻尖軟骨縫縮術後の術後経過
症例1
まず、最初の方の術前と術後1か月の状態を比較していただきたいと思います。
鼻尖の幅が狭くなり、高さが高くなっているのがお分かりいただけると思います。
術後5日目の抜糸時の状態ですが、腫れがあまり出ていないことがお分かりいただけます。
このように『一般的な経過の方』ですと、周囲から気が付かれることもなく手術を受けることが可能です。
症例2
次の方の術前と術後5日目抜糸時の状態を比較していただきたいと思いますが、術前よりも鼻尖の幅が狭くなり、鼻が高くなった効果は出ているものの、皮下出血があるのがお分かり頂けると思います。
この方は、経過として『よく腫れた方』です。
腫れ方の個人差について
では、なぜこのような個人差が生じてしまうのでしょうか?
鼻尖の手術は、鼻尖軟骨を露出させ、皮下組織(鼻尖軟部組織)を切除するという工程を経て完成します。
この皮下組織を切除する際の出血に起因するものかと当初は思っていたのですが、最近では術後の生活(飲酒をしてしまった、お風呂に長く入ってしまった等)や、ご本人の体の個人差が原因であると思っています。
今回のお二人の方を比較していただくと出血した方の場合でも、数日後には、お化粧で隠せる範囲になることがほとんどですので、現実的には、問題にならないと思います。
以前のお話でも書きましたが、依然として“鼻尖が上を向きませんか?”“他院では絶対に上を向くと言われました”というご質問もよく受けますが、私の行っている術式で上を向いた方は、今までにいらっしゃいません。
これは、一般的に行われている術式と違い、軟骨自体の形を変えるためなのです。ですからこの術式をきちんと書くと『鼻尖軟骨形成、縫縮、皮下組織切除術』ということになります。
同じ名前の手術でも医療機関によってやり方が違うこともあります。
術前のカウンセリング時に、ご自分の納得できるまで、よく担当医から説明を受けることが何よりも大事だと思います。