まず、このお話にご協力いただいたモニターの方にこの場をお借りして深謝いたします。
今回は、他院にて鼻中隔延長術、鼻尖軟骨移植術(鼻尖形成術)という鼻の手術を受けられた後に、鼻が不自然な形になってしまったという方をご紹介したいと思います。
最近は、韓国で手術を受けられる方も増え、帰国後にこのような相談で来院される方も増えました。
ご本人としては、『鼻が長くなった』というお悩みでした。
他院での手術内容をお聞きすると、手術内容は、細かく認識されていませんでした。このように手術内容を覚えていらっしゃらない方は、前医で勧められるままに手術を受けられていることが、ほとんどです。
当院は、修正手術をほぼ毎日のように行っていますが、お悩みの程度や種類も様々で、手術中に患者さんから聞いていた手術と異なり、苦労してしまうということも少なくありません。
こういう意味でも、手術前には、担当医から術式の詳細をお聞きしておくことをお勧めします。
少し前置きが長くなりましたが、術前(写真1)、術後4か月(写真2)の横顔の状態を御覧に入れたいと思います。
どこが変わったのかお分かりいただけますでしょか?鼻の雰囲気が、何となく『自然になった』のがお分かりいただけるでしょうか?
下から見ると、鼻の高さと幅が変わった事がよくわかると思います(写真3, 4)。
また、斜めから見た感じをご覧いただくと、鼻の雰囲気の違いにお気が付くのではないでしょうか(写真5, 6)。
鼻の手術でのサイズ(mm単位)や黄金比を気にされる方にお会いすることも多いのですが、顔は、バランスで成り立っているために、これらをあまり気にされるのもどうかと私は、思っています。
鼻中隔延長の修正手術のデザインと術中の様子
修正手術ですが、鼻尖の形状に問題がありますので、手術前にどのように中の状態がなっているかを想像し、手術計画をデザインします(写真7)。
この『デザイン力』は、美容外科領域では、非常に大切です。
術中所見をお見せします。色々なものが黒い糸で固定されている様子が、何となくお分かりいただけますでしょうか(写真8)?
これらを丁寧に剥離し、必要な形状にしながら修復するという作業を繰り返します。また、必要な組織は、場所を変えて再度固定します(写真9)。
言葉にすると非常に簡単なのですが、一度塊になってしまったものを丁寧に剥離するという作業と、再固定する組織の位置を決めるということに、高度な技術が要求されます。
さて、このような手術の経過ですが、修正手術効果が出るのに時間がかかることも有ります。
この方は、まさにそうした感じで、術後1か月経過しても、大きな形状改善が認められませんでした。術後1か月の状態をお見せします(写真10, 11)。
いつも同じことを書きますが、修正手術では、このように経過に時間がかかることも有ります。
こういう修正手術の必要がないように、初回の手術カウンセリングの時点で、担当医との『美的感覚』の違いがないのか、手術計画は、自分が理解できているのかを再考されるのが、非常に大事だと思います。
術前には、実際に複数の医療機関で担当する先生にお会いして、自分との『感性は一致しているのか』を判断されてから手術を受けられる事を強くお勧めします。
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