まず、このお話にご協力いただいたモニターの方に、この場をお借りして深謝いたします。
この方は、他院にて鼻尖形成術、鼻尖部に耳介軟骨移植術を受けられた方です。
鼻先がとがって、不自然な感じが気になるというのが、ご本人の相談内容でした。
治療目的として、鼻尖のとがった形状を変えること、曲がった鼻先を真直ぐにすることを考えました。
したがって、手術計画としては、オープン法にて、鼻尖の軟骨の位置や状態を確認後、鼻先の形状を整える事、移植軟骨のボリュームを減らすことを計画しました。
また、切開場所は、前医でのオープン法での傷を利用することにしました。
鼻尖形成と鼻尖軟骨移植の修正手術のビフォーアフター
では、術前(写真1)、術後6か月(写真2)の側面の変化を御覧に入れたいと思います。
術前写真の中に書いた矢印の部分の尖った感じの変化にご着目して頂きたいと思います。
現実にお会いした方が、術前の写真よりも高い印象を受けます。
正面から見た術前(写真3)と術後6か月(写真4)もご覧に入れます。
写真だけ比較すると正面の変化は、お分かりになり難いかもしれません。
また、斜めから見て頂くと術前(写真5)と術後6か月(写真6)では、鼻尖が『何となくボリュームダウンしたように見えるだけ』かもしれません。
術中所見(写真7)をお見せしますが、前医で移植された軟骨が多く鼻柱も太くなっていることがお分かり頂けるでしょうか?
この移植された軟骨のボリュームを少なくし、鼻尖に移植されていた軟骨は、サイズダウンした後に再移植しました。
鼻柱の術後状態をお見せします(写真8)。
『何となくボリュームダウンしてすっきりした』ことがお分かり頂ければ十分です。
下から見た術前の状態(写真9)と術後6か月の状態(写真10)とを比較して頂くと、曲がりと尖り(写真中矢印)が改善したことがお分かり頂けるはずです。
この様に、不要と思われる軟骨が鼻に入っていたことを考えると、手術前にどのような手術計画を立てるかが、いかに大事かお分かり頂けるはずです。
まして、医師でない『カウンセラー』なる無治療経験、無資格の人間が、手術計画を立てることは、あってはならないことだと思います。
いつも同じような事を書きますが、手術計画や手術デザイン等が結果に直結するものを、担当医がどのように考え、どのようなプロセスを経て行っているかというのは、非常に大事なことです。
こうした術中のことを見る機会は少ないと思いますので、担当する医師の症例写真をよく検討されることをお勧めします。
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